実践の教育

建学の精神

「行義以達其道」
いわき短期大学の建学の精神、「行義以達其道」(義を行い以って、其の道に達す)は、孔子の言行録『論語』(季氏編第十六)に記されている言葉です。 「義」のこころには、「正義」「道理」「人として生きるための思いやり」「礼節」「信頼」「正直」「素直」という意味が含まれています。 本学では、義を行う=「あなたがいるから、周りの人も優しくなれる」「あなたがいることで、勇気をもらった」と言ってもらえるような他人を思いやり、心を施すことできる人間性豊かな人材の育成を目指しています。
建学の精神 その指針
名誉学長 故山岡荘八先生が、いわき短期大学の前身校設立の意義について記した全文を紹介します。
21世紀を担う人材の養成
義の精神は、宏大無限であり
主義主張を超越した大精神である事を諭し
人倫(人の道)を行わざる者は
如何に高邁なる思想といえども
その目的を達するものでない事を戒めている。

昌平黌精神とは、真理に基づき、平和と繁栄の道を探索し、それをそのまま未来生活の中に実践し、開花させようと努力し続けてきた日本民族本来の「大和こころ」に通ずる精神である。

われわれは、この精神を体し、昭和41年昌平黌いわき短期大学をこの地に設立した。古くは世界史上類例のない徳川幕府(江戸時代)の学問所として、立派にその責任を果たしてきたものは、一に昌平黌精神を奉じ、献身的努力を続けてきた多くの先人の寄与であったことは、今日あまねく人々の知るところである。
明治の先覚、福沢諭吉翁も、そうした江戸時代の創始者徳川家康を目して「世界稀有の大政治家であった」と絶賛している。やがてこの精神が、明治政府による義務教育の普及につながり、国内に一人の文盲もなからしめるため、今日の教育制度の前身である学制設定となり、昌平黌は東京大学、或いは学習院など多くの学舎の出現を見ることになったのも事実である。
このような過程を経て日本の教育は益々向上して、主義主張を超越した学校教育が国民の間に定着し、その名も「尋常小学校」と称せられた。この尋常という二文字を義務教育の根幹に置いたことによって大きな意義があるので、平和第一主義を以ってどこまでも人間として基礎的知識と道徳心を基調とする教育を修め、身を以ってことの是非善悪を識別する力を養い、そこにはじめて人間尊重の花が開き、民主主義の結実した人間形成を願うものであったことは改めていうまでもない。
われわれは、今日の変遷する教育界にあって、本学教育の伝統を守りつつ、また新しい学問の道を開き、更に繁栄を続ける21世紀を引き継いで、21世紀の世界へ期待と要望に応え得る人材の養成に正しく強く前進することを肝に銘じなければならない。
  • 名誉学長 故 山岡荘八先生

  • 建学の精神が揮毫された石碑